栗についての備忘録第二弾。また私的なブログ。
収穫した栗は剥いてから炊くわけですがこれが難儀です。
イガの中に鬼皮と渋皮。
守りすぎです。
イチジクやバナナを見習って頂きたい。
ここからは慎重さと根気が大切。
渋皮煮にする場合最も重要なのは渋皮を傷つけずに鬼皮を剥くこと。
よくお湯に浸したりしますが、お湯に浸すことで渋皮も水分を含み傷つきやすくなるのでオススメできません。
(栗ご飯や皮なしの甘露煮の場合は熱湯につけて、しばらく置いておくのがオススメです。)
水にも漬けず剥いていきます。
座の部分に渋皮を傷つけないように切れ目をいれそこから鬼皮を剥きます。
この後のアク抜きの工程で柔らかくなるので、座の部分の残りついてはあまり神経質にならなくて大丈夫です。
(座については取らない方がいいという人もいます)
ただし、少しでも穴の開いている栗は確実に虫がいるので除きます。
(虫食いの部分を削れば栗ご飯で美味しく食べられます)
剥いた栗は乾燥を防ぐために水につけておきます。
(下処理の段階で選別するので、渋皮が傷ついてしまったものも一緒にしておきます。)
炊くのには時間が掛かるので、時間がなければ重曹を小さじ2を入れた水に一晩置いておいても大丈夫です。
そのまま火にかけます。
アクを取りながら沸かします。
しっかりとアクを出さないといけないので、崩れないように気を使いながらある程度しっかりと沸かしながら、沸いてから15分火にかけます。
沸いてはいるけれど、グツグツとして栗が動きすぎない程度。
慎重に。でも恐れずに。
(ここで静かにしすぎると結果的にアクが抜け切らず、栗が柔らかくならなくなります。綺麗に仕上がるのは全体の1/4以下です。
崩れたものはドルチェに使用します。)
流水にかけお湯を捨て、座やスジ、鬼皮の残りのフサフサとした部分を竹串や指の腹、歯ブラシで洗いながら綺麗にします。
スジが取れなかったり、表面の黒っぽい栗は柔らかくならないので、この時点で省きます。
(最後まで炊けばピューレには使える事もあります。)
この時点ではまだ栗が硬いので、処理が容易。
この工程以降は柔らかくなり難儀です。
傷のない栗と傷がついてしまっている栗はここで別の鍋に分けます。
崩れた物は中身だけ出しておいて、砂糖と煮るときに加えます。
それぞれの鍋を再び重曹水で茹でていきます。
改めて沸かして10分。
割れた栗は2回でアク抜き終了。
割れていない栗は改めて選別し、割れていないものやほんの少しの割れですんでいるもののみをもう1度重曹水で沸騰から10分茹でてアク抜きを続けます。
破れた栗は破れた栗の鍋へ移します。
(ちなみに重曹の効果がなくなるので、水から始めて下さい。)
アク抜きが終わった栗はそれぞれ水を入れ、沸騰から10分茹でで重曹を抜いていきます。これが2回。
この工程はある程度沸いていれば大丈夫です。
下処理が終わったら浸るくらいの水を加えます。
(水の入れ過ぎを防ぐために、鍋に優しく栗を並べて、水を静かに注ぎます。水が多いと詰めるのが大変。)
沸騰したら、剥いた栗の重量の40%の砂糖を3回に分けて入れます。
(一気に入れると浸透圧の影響で硬くなるので、10分おきに分けて入れます)
落とし蓋をし、ゆっくり炊いていきます。
汁が半分程度になったら、ブランデーを入れ火を止め、冷まして完成。
ほんの少しなら割れても大丈夫です。
最後のポイントは美味しいお酒を使うこと。
ラムやブランデーが合いますが飲んで美味しい物をたっぷりと入れて下さい。
今年はサンタマリアXO。760mlなので70年代後期の流通品です。
XOは最低20年熟成。1940年代くらいの原酒も使われているオールドブランデーです。