Vaccinaroは革のなめし職人。
ローマには1300年代からテスタッチョに屠場がありましたが当時は庶民が肉を食べる機会というのはとても少なく、テールや内臓が庶民のご馳走でした。
今となっては質の良いテールや内臓は肉と同等か部位によってはそれ以上の価値となっていますが、日本でも江戸時代までは捨てるほどの価値だったホルモンやマグロのトロ。
それを庶民が食べていたというのは世界中共通の事なのかと思います。
今でもローマ料理の代表といえば、トリッパやパヤータという牛の腸を使ったラグー、そして牛テールの煮込みがあります。
(もちろんカルボナーラもローマを代表する料理ですが、カルボナーラは有名かつエピソードが多すぎるので今回は触れません)
トリッパといえばローマ風とフィレンツェ風が有名ですがその違いはなんとも曖昧。
ペコリーノをかけ、ミントを入れるとローマ風やら豆を入れるとなんとやら。
要は作る人の気持ちが重要です。
日本でも芝浦や住之江に大きな屠場がありますが、モツ煮も関東関西で味付けから豚や牛の違いなど色々ありますので、そこはおおらかに捉えてください。
レモンの入ったナポリ風や辛くしたカラブリア風、バジリコを使ったジェノヴァ風などなんでもあります。
今回はテールの話。
相変わらず話がナイル川の如く蛇行しております。
Coda alla Vaccinara コーダアッラヴァッチナーラといえば、Rigatoni con La Pajata リガトーニコンラパヤータInsalata di Zampi インサラータディザンピと並んでローマ・テスタッチョ地区のケッキーノの名物です。
Checchino dal 1887 とんでもないsince。
Insalata di Zampi は牛すじとたっぷりのセロリの煮込み。
Rigatoni con La Pajata
そして、Coda alla Vaccinara
たっぷりのセロリを使ったソフリット(セロリだけはピューレにして加えていくこともあります)、トマト、松の実、カカオを使った牛テールの煮込み。
モンテでは土佐あか牛のテールを使ってお出ししております。
最近高いので松の実は使っていません。
ソースをパスタと合わせ、仕上げはペコリーノがおすすめです。