南イタリア・プーリアを代表するブドウ品種の1つといえばプリミティーヴォ。
カリフォルニアではジンファンデルと呼ばれるブドウ。
Frogs Leapはなんとも懐かしいです。
その起源はクロアチアのツールイェナック・カステランスキーというブドウで、それがイタリアやアメリカへ渡った訳ですが、比較的病気に弱く、完熟を求められる品種である為、特性としては温暖な地域を好みます。
寒い地域であるクロアチアでは絶滅に近くなっていたようですが、近年では原種に当たるツールイェナック・カステランスキーの復興もなされています。
起源について分かったのはここ20年と新しい一面ももつブドウ。
味わいとしては骨格がはっきりとして、太いボディ、色やエキスも濃く仕上がっているものが多いです。
不思議なもので、アメリカのジンファンデルはなんともアメリカ人好みな濃厚なタイプで、BBQソースによくあいます。
一方、イタリアのプリミティーヴォはエキスの濃さはあるもののジンファンデル程のインクのような濃さはなく、
完熟した果実味と南らしい強い太陽を感じる陽気な仕上がり。
小さなグラスで、ピッツァやトマトを使った煮込みを賑やかに楽しむのにピッタリです。
このようなシノニム(土地による別名ブドウ)ワインを飲むと、
ブドウの性質や土壌だけでなく、食事や国民性も含めた事がテロワールなのでなと感じます。
イタリアのプリミティーヴォは比較的標高の低いエリアでの栽培がメイン。
アルコール度数が高く、酸味が弱く伸びやかさに欠ける印象。
その中で異質と言えるのがモレッラMorella。
モレッラはプーリアのマンドゥーリアにあり、このエリアは低海抜エリアです。
しかし、畑は鉄分の少ない白っぽい土壌で、岩が少なく畑が冷涼。
アルベレッロで仕立てた古木のプリミティーヴォから造るモント・ヌオーヴォはボリュームがありながら酸味が伸びやか。
収量は驚くほどの低収量で良年でも20hl/haでロマネコンティの不作年と並びます。
濃い色合いでアルコールは高いのですが、果実味がジューシーでバランスの良い仕上がり。
新世界=モント・ヌオーヴォと名付けられた通り、プーリアのプリミティーヴォにおける新しい世界を感じる事のできるワイン。
しっかりとしたワインが飲みたい日にオススメです。