イタリアの食後酒の定番といえばグラッパ。
ワインの搾りカス(ヴィナッチャ)を蒸留して作るブランデーの一種です。
ブランデーはコニャックやアルマニャック、カルヴァドスを始めとする蒸留酒のカテゴリーでお酒そのもの(ワイン等)を蒸留するので、かなり異なるお酒です。
蒸留酒。
有名なものでは焼酎やウイスキー、ジン、ウォッカ、ラム等があります、
アルコール度数25%以上のお酒は基本的に蒸留酒(もしくは蒸留酒をベースとするお酒)です。
カルダイア(ポットスチル)。
原料を火にかけ、水分より早く沸騰するアルコールを集めて作るのが蒸留酒。
1回行うのが本格焼酎。ウイスキーは複数回行います。
それを一つの機械内で何度も何度も行うのが連続式蒸留。
詳しくは、調べてください。
コロンナ(精留塔)。
もう一つ精留というのがあります。
精留とは蒸留した液体とその後に発生する蒸気を接触させてく作業です。
(簡略化しているので正確ではありません。こちらも詳しくは調べてください。)
この蒸留と精留を合わせたのがグラッパ。
グラッパでもロマーノレヴィのような直火単式蒸留機もあれば、
カポヴィッラの使う湯煎式2回蒸留機、
アレクサンダーの様な連続式蒸留機とポットスチルを組み合わせる方法もあります。
よくマールとグラッパは同じと言われますが、蒸留方法は全く異なります。
(同じ場合もあります。)
マールの蒸留方法は主に連続式蒸留。
(ではない場合もあります。)
連続式蒸留は原材料の特性が消えていく傾向があります。
(これを繰り返し続けたのが、味のなさを特徴とするウォッカです。ウォッカにもブドウを原料とするものがあり、こうなると区別は難しいです。)
なので、透明でもブドウの旨みを感じるグラッパは透明(樽熟のない)状態がメイン。
マールは樽熟成をメインとするお酒となって言った訳です。
マールの多くはワイナリーの名前を冠しており、これもグラッパと異なる点です。
自社で蒸留するワイナリーは殆どないので、グラッパ同様に蒸留は委託しているはず。
これに関してはよくわかりませんでした。
グラッパはお役所的には大問題を孕んでいます。
それが残留メチルアルコール。
長いのでここから先は次回とします。