ワインの話。
イ・クストーディは南イタリア・シチリアのワイン。
従来のシチリアワインのイメージはボリュームがあり、酸度が低い、果実爆弾といったところ。
近年はエトナ山麓で作るワインが注目され、エレガントで繊細なイメージも増えてきました。
その流れを作り出したのがサルヴォ・フォーティという天才醸造家。
彼はアルベレッロというシチリアの伝統的なブドウの仕立て方や混植といったシチリアのブドウのあるべき姿を大切にワインを造っています。
彼が過去に関わったグルフィやベナンティは彼の在籍中に脚光を浴び、地位を確立しましたが、彼の去った現在はかなり違った姿となっています。
そんなサルヴォが率いるブドウ栽培・醸造家集団がヴィニェーリ。
その理念に賛同している造り手はアルベレッロ樹の刻まれたボトルを使用します。
イ・クストーディもそんな造り手の一人。
彼を語る前にもう1つ前談をさせてください。
イルカンタンテ。
2004年にその幕を閉じた伝説的な造り手です。
イギリスのミックハクネルが経営し、サルヴォが醸造を担当したカンタンテのワインは圧倒的なスケールとオーラを持っていました。
そのカンタンテで共にワインを造っていたのが、クストーディのマリオ。
彼がカンタンテの畑を可能な限り買い戻し2007年から醸造を開始しました。
エトネウスは樹齢80年以上のブドウ樹から造るスケール感。
白ワインにおいても混植から作るエデスや
ミネラルと優しくも静謐なアンテ、
綺麗な醸しのヴィヌディリーチェ。
全てが特筆すべき完成度でありながら、価格は未だにリーズナブル。
最近ではネレッロマスカレーゼの単一ワインを造る等意欲的なワインも多くあります。
オススメです。