食後酒についても。
グラッパはワインの搾りかす(ヴィナッチャ)から造る蒸留酒でブランデーの一種です。
フランスではマール。ちなみにコニャックはフィーヌの一種でこちらはワインそのものを蒸留しますので全く別物です。
考え方によっては廃品利用。
蒸留技術の進化もありますが、昔ながらのグラッパは日本で言うところの焼酎にも近く、かなりクセがあるものも多く、年配の方が飲んだり、コーヒーに入れて飲むような物でした。
元々は個人で蒸留していたのものを水割りにして飲んでいたというのですから、相当のクオリティだったと思います。
ほとんどのグラッパはグラッパメーカーが原料であるヴィナッチャをワイナリーから買取り、まとめてグラッパを作り、自社のブランドで出荷します。
一部ワイナリーは自社の名を冠する為にグラッパメーカーへ依頼して、グラッパを製造しています。
(ワイナリーの名前のグラッパは珍しくありませんが、ほとんどのケースで蒸留は委託しています)
こちらはピエモンテのバローロの造り手”エリオアルターレ”のもの。
蒸留はマローロが手がけています。
近年はグラッパを造るワイナリーは減っており、エリオアルターレも現在はグラッパの製造をしていません。
この流れについて理由は不明です。
詳しくは別の機会に述べますが、グラッパの蒸留方法は少し特殊です。
簡単にいうと単式蒸留でもなければ、連続式蒸留でもありません。
簡単ではなかったですね。
本格焼酎より高アルコールを得ることが出来ながら、原料の影響を強く受ける蒸留酒です。
ウイスキーは原酒や材料よりも樽の影響を受けるお酒です。
つまりマッカランとグレンモーレンジを(不可能ですが)全く同じ樽・環境で熟成させれば殆ど同じ味になるということです。
やや暴論ではありますが、事実でもあります。
ボトラーズにより値段の差があったり同一原酒でも美味しくないウイスキーがあるのはこの為です。
話がナイル川の如く蛇行しましたので、話を戻します。
エリオアルターレのヴィナッチャを蒸留することで、良質のブドウのエッセンスを残したグラッパ。
本当にブドウの旨みを感じることが出来ます。
この事も後日まとめますが、このグラッパはオールド品で残留メチルアルコールに関する法令改正前の物。
この当時のグラッパは良い意味で不純物が多く旨みのあるグラッパ。
本当にオススメです。