豚の丸焼きを意味するポルケッタ。
イタリア全土にある料理で、
どこが発祥とか名物かは諸説ありますが、
IGP(原産地呼称)を取得しているものとして、
ローマ近郊のアリッチャという場所があります。
ポルケッタ ディ アリッチャは
フェンネルで香りつけるのも特徴の1つ。
そんなアリッチャでは9月にはポルケッタ収穫祭も開かれます。
多くの屋台が並びます。
日本の節分よろしく
ポルケッタのパニーノを撒いて配るという
凄いイベントもあります。
その他にもウンブリアのペルージャや
フィレンツェも有名。
とにかくスーパーや屋台と
どこでも見かける一般的な料理です。
屋台ではパニーノもオススメ。
サルサヴェルデを入れて食べて見てください。
スーパーではスライスして、
パックへ入れたりもしてくれます。
“丸焼き”というくらいですから、
本来は頭つき(con testa)で、
ゆっくりと焼き上げていくお祭り料理でした。
しかしそれは、マエストロ・ポルケッタイという専門職があるくらい大変。
ということで段々と簡略化され、
今は、ハーブやニンニクで味付けした、
皮付きの豚肉を
巻き込んで作っていくのが一般的です。
(焚き火とワタシ)
モンテでは最近
焚き火料理を多く作っています。
バラ肉を炙り焼く、焚き火豚(ベーコン)や
骨付きロースを焼く、アリスタディマイアーレ。
(アリスタは脂を焼いてから包んで、火入れ)
(大体6~7時間かけてゆっくりと)
そして、ポルケッタ。
焚き火で初めて作りました。
ただ、焚き火の香りとハーブは
相性が良くないので、味付けは塩のみ。
皮面を炙った後、
自家製の野菜と一緒に包み焼きます。
(今回は玉ねぎ、ニンニク、キャベツの外葉、ズッキーニの花)
野菜と一緒に焼くことで、
野菜の優しい甘みや香りを纏わせることができます。
水分も入っていくので、しっとり仕上がります。
そのまま、スライスでパニーノ。
焼いて、ガッツリと。
オススメです。
イタリアのポルケッタ。
日本のポルケッタ。
お気づきかと思いますが、
日本ではバラ肉のみを
巻いていることが多いです。
(巻き易く、バラバラにならないので
見た目がキレイに
仕上がるからだと思います。)
ポルケッタの本来の魅力は
丸焼きにした仔豚の
色々な部位を楽しめること。
イタリアではその魅力を簡略化するために、
バラ肉を周りに、その他の部位を詰め込んでいき、
皮で包みます。
(もしくは皮付きのバラ肉で包みます)
だから、あんまりロール状にはなっていません。
味を重視するイタリア人らしい発想と、
見た目も重視する日本人らしい発想です。
次回はイタリア仕様で作ります。
バラ肉だけより、脂が少ないので
たくさん食べられる事と、
パサっとしたヒレ肉とジューシーなバラ肉、
旨みの強いもも肉、
その全てを楽しめるのが魅力。